薬剤師の尾崎です。
日本のドラッグストアでは医薬品・化粧品以外にも様々なものを購入することができます。
今回は日本国内のドラッグストアなどで購入可能な痛み止めの薬(解熱鎮痛薬)についてまとめてみたいと思います。
ちょっとした歯の痛み、打ち身、軽度の頭痛、肩こり痛、腰痛、生理痛などであれば市販薬の痛み止め薬で十分に対応可能です。病院にかからずすぐに購入できるので旅行前に覚えておくと良いかもしれません。
また、薬剤師が常駐しているドラッグストアも数多くあります。もし不安があれば聞いてみましょう。
ただし、もし急激な痛みで激しい頭痛や心臓の痛みなどがあれば救急車(日本国内から電話で119)を呼びましょう。
【痛み止め全般の注意事項】
空腹時に服用すると胃を痛めてしまうことがあります。少し食べ物を口に入れてから服用しましょう。
以前に痛み止め(解熱薬)で喘息などの症状が出たことがある場合は、念のため病院での受診をおすすめします。
アセトアミノフェン(成分名)を除き、多くの痛み止め市販薬では15歳以上から利用可能です。15歳未満の場合はできるだけ病院にかかるようにしましょう。
1.ロキソニンS(主成分:ロキソプロフェン)
ロキソニンSは市販の痛み止め薬の中では最高クラスの痛み止めです。
価格は¥520〜¥700程度。
1回1錠を1日2回まで利用可能です。空腹時を避けて水などで服用してください。
また、服用間隔は4時間以上あけるようにしてください。
「第1類医薬品」という区分の医薬品で薬剤師による説明が必要な医薬品です。
日本語が通じない場合販売をしてもらえない可能性もあるため注意が必要です。
出産予定日12週以内の方はお使いいただけません。
長期間の連続服用はおすすめできません。もし症状が長く続くようであれば、病院に行きましょう。
2.ロキソニンSプレミアム(主成分:ロキソプロフェン)
ロキソニンSの成分であるロキソプロフェンに鎮痛作用を高めるアリルイソプロピルアセチル尿素や無水カフェインなどが追加になったものです。
価格は12錠(6回分)入りが¥650〜¥750程度。24錠(12回分)で¥1,100〜¥1,300程度。
ロキソニンSよりも高い解熱鎮痛作用が期待できます。
ただし、副作用として眠気が出てしまうことがあるため、服用後には運転などはできません。
1回2錠を1日2回まで利用可能です。こちらも服用間隔は4時間以上あけてください。
こちらも「第1類医薬品」です。
3.イブA(主成分:イブプロフェン)
イブA錠はイブプロフェンが150mg含まれる解熱鎮痛薬です。痛み止め効果としては少し弱め〜ミドルクラスといったところでしょうか。
価格は60錠で¥640〜¥800程度。48錠は¥540〜¥740程度。
1回2錠を1日最大3回まで服用できます。服用間隔は4時間以上あけるようにしてください。
イブプロフェンに加えてアリルイソプロピルアセチル尿素や無水カフェインが配合されています。
副作用として眠気が出ることがあります。服用後に車の運転などはしないようにしてください。
4.イブA錠 EX(主成分:イブプロフェン)
イブA錠 EXは、主な配合はイブA錠と変わりません。
価格は40錠で¥640〜¥1,000程度。20錠は¥390〜¥650程度です。
主成分であるイブプロフェンが200mg含まれているためイブA錠よりも高い鎮痛効果が期待できます。
5.バファリンA(成分名:アセチルサリチル酸[アスピリン])
バファリンAはアスピリンで知られるアセチルサリチル酸を主成分とした痛み止めです。市販薬の痛み止めの中では弱い種類の痛み止めです。
価格は80錠が¥1,000〜¥1,600程度。60錠が¥900〜¥1,300程度。40錠が¥380〜¥540程度です。他に20錠のものもあります。
血液凝固を抑制する作用もあるため、多量の出血がある場合や、出産予定日が近い方は服用ができません。※出産予定日12週以内の方は服用できません。
利用可能年齢は15歳以上です。
1回2錠を1日2回まで服用可能です。服用間隔は6時間以上あけてください。
6.バファリンプレミアム(主成分:イブプロフェン、アセトアミノフェン)
バファリンという商品名ですが、成分としてはイブプロフェンとアセトアミノフェンが配合されていて、バファリンA錠とは全く違うものです。
痛み止め効果は市販薬の中では高い方です。第1類医薬品ではないので、薬剤師が常駐していないドラッグストアなどでも購入可能なのが特徴です。
価格は40錠で¥970〜¥1,700程度。20錠は¥650〜¥1,050程度。
1回2錠を1日3回まで服用できます。服用間隔は4時間以上あけてください。
アリルイソプロピルアセチル尿素が含まれているため、眠気が出ることがあります。服用後、車の運転などはできません。
15歳未満の方、出産予定日12週以内の方は服用できません。
7.ナロンエースT(主成分:イブプロフェン、エテンザミド)
ナロンエースは、イブプロフェンとエテンザミドが主成分の解熱鎮痛薬です。
ミドルクラスの痛み止め薬です。鎮痛効果を高めてくれる成分が配合されていて、比較的高い効果が期待できます。
価格は84錠で¥1,300〜¥1,850程度。24錠では¥420〜¥650程度。
1回2錠を1日3回まで服用できます。15歳未満の方は服用できません。また、出産予定日12週以内の方も服用できません。
配合されているブロモバレリル尿素が眠気を引き起こすことがあります。服用後は車などの運転は控えてください。
まとめ
今回記事で紹介した市販薬の中ではロキソニンSプレミアムがもっとも強い効果が期待できます。しかし、第1類医薬品という分類の医薬品で購入できる店舗が限られることや、副作用の眠気などデメリットもあります。車を運転される場合などには、眠気が出にくいロキソニンSが良いでしょう。
入手が容易で高い効果が期待できるもので個人的なランキングをつけるとしたら、
イプA錠 EX > ナロンエースT錠 > バファリンプレミアム錠 > イブA錠 > バファリンA錠
という感じです。ただし、人によって解熱鎮痛効果の出かたに個人差はありますので、その点はご了承ください。
最後に
旅行中健康でいるのが一番ですが、万が一の場合はドラッグストアに駆け込んでみると、助けになるものが売っているかもしれません。
見つけられない場合は、この記事の写真を指差して見せると探してくれると思います。運が良ければ僕に会うこともあるかもしれませんね。