日本のお菓子を作ろうシリーズ<第一弾>
日本は世界でも類を見ないお菓子大国である。
そしてその数あるお菓子の中で、日本の子どもたちの心を掴んで離さない異色の存在としてあげられるのが「知育お菓子」である。
世界各国を渡り歩いてきたが、「知育お菓子」という存在には出会ったことはなく、これもまた日本独自の発想であり、優れた日本の誇れる文化であるといえる。
「知育お菓子」を販売しはじめたクラシエ社のサイトによると「粉と水とで作る楽しいお菓子」が1978年に発売されて以来、様々な商品が発売されているのでこれらを紹介していきたい。そして記念すべき第一弾は日本を代表するであろうお寿司をモチーフにした「知育お菓子」、「たのしいおすしやさん」である。
保存料と合成着色料を一切使用していない商品であるが、パッケージをみると非常にカラフルな色使いである。
一体実際の商品がどのような発色をしているのか興味深い。
裏面に説明がかかれており、イラストを交えているので幼い子供にとっても分かりやすい仕様となっている。
それでは早速箱を開封して中を見てみたいと思う。
内容
以上のように全ての材料が袋により小分けにされている。衛生面もバッチリである。
「たのしいおすしやさん」を作る上で準備するものはなんと飲料水のみである。これは日本ならではの発想と言える。
なぜなら世界の多くの国々においては水道水は飲料水としての機能を果たしていないからである。
その点において日本は水道水を安心して飲めるシステムが既に構築されており、「知育お菓子」が発展するには非常に望ましい環境にあるといえる。
上の写真のように付属のスポイトを使って水分を有効活用していく。
シャリ
まずはじめにお寿司には欠かせないシャリの部分を作っていこうと思う。トレーの溝の部分までスポイトで水をためていく。
スポイトは一見簡素な作りをしているように見えるが、これで意外にも操作性は優れており、どの程度の水分を落とすか調節するには非常に快適であると言わざるをえない。
恐らく長年培われたクラシエ社の絶え間ない努力に寄って培われた非常に高度な樹脂形成技術が応用されているのであろうと容易に考察することができる。
水分をフチまで入れた後は「ごはんのもと」を入れる。
「ごはんのもと」といっても普通の白い粉のようにしか見えないので、本当にこれがお米のような姿になるのだろうかという疑念は消えないままで作業は進行していく。
混ぜてからしばらくすると徐々にダマができるようになってきた。
いよいよこれがシャリのように粒粒になるのかと期待した。
しかし気がつくと弾力がつき、まるでお餅のような柔らかさに変化した。
これは正直いい意味で期待を裏切られたと言わざるをえない。
見た目ははっきり言って大根おろしのように見えなくもないが、弾力はしっかりしている。これはネタと組み合わせるとどのように見えるのかが楽しみである。
タマゴとマグロ
そして同じ工程によって中央の二列を使ってマグロの赤みと、タマゴの厚焼きを表現したネタ部分を制作する。
シャリ部分とは違って透明感があり、少々時間が経つと寒天のように固まるようになっている。
光沢があり、みずみずしい見た目である。
いくらの軍艦巻き
次にいくらの軍艦巻きを作成する。
まずは軍艦巻きの海苔の部分を作っていく。
以下の写真が海苔部分になる原材料の黒いソフトキャンディーである。
まずは内側のパウチに記載されている海苔の大きさガイドをはさみで切り取る。
そしてお皿の上で海苔の大きさガイドを使って黒いソフトキャンディーを指で伸ばしていく。
柔らかく適度な強度を保った、粘度のような質感である。これによっていくらの軍艦巻きの外枠を形成していく。
次にいくらの軍艦巻きのいくらをいよいよ量産していく。
AとBに分けられたいくらのもとをそれぞれのトレーにいれて水によって溶かす。
青と赤に分けられているので対比はしやすい。
次にこれまで使ったスポイトを使ってBの液体をスポイトで吸い、Aの液体に落としていくと、大きさはいくらか小ぶりであるがいくらと遜色ない見た目の固体が大量に作られていく。これは意外と癖になる作業である。
Bの液体がなくなるまで、Aの液体にいれいくらを量産した結果が以下の様子である。
次にいよいよ、お寿司を作っていく。
シャリはやはりそれなりの弾力があり、一度分けると中々まとまりにくい特徴がある。
先程の黒いソフトキャンディーをつかってシャリの周りに巻き、軍艦巻きのベースとなる部分を用意しておく。
黄色い部分はタマゴである。
マグロとタマゴは2つにカットしてシャリの上に乗せていく。
シャリ部分は弾力があるためネタを乗せるには少し集中力が必要である。
次にいくらをスプーンですくっていく。
いくら大接近中。
いくら上陸。
完成。
作ってみた所、タマゴは透明感があり本物に近い質感とは言い難い。しかし外観を見ると明らかにタマゴ寿司であることは明白である。
マグロの赤身は、質感と色艶ともに本物のミニチュアを使っているような外観を見事に表現しているといえる。
また、白いプラスチックのトレー部分底に溝が掘ってあり、これによりマグロ、タマゴのネタをよりリアルに再現することに成功している。
最後に最も手間暇かかったいくらの軍艦巻きであるがこちらも本物のいくらの軍艦巻きを見たことのある人間であれば、分からないことは絶対にないであろう見事なフォルムにまで到達している。まるで赤いルビーのような海の宝石であるいくらをこんなにもお手軽に表現してしまうクラシエ社には圧巻である。
実食。味や見た目はお寿司であるにも関わらず甘いので多少脳が混乱する妙な感覚に陥る。
しかしすぐにこれはお寿司じゃないんですよという脳へ信号が送られ、その信号とともに脳にゆっくりとこれまでに味わったことのない食感を届ける事ができる。
シャリはやはり作成した時から発生した弾力があり、もちもちとしていて非常に心地よい。甘味は抑え気味であり、シャリはシャリだけでお腹いっぱい食べたいくらいの美味しさである。
次にマグロ、タマゴのネタ部分は、若干ゼリー状であり、寒天のようなみずみずしさがありもちもちとしたシャリと非常に良いコンビネーションである。
完食。ご馳走様でした。
ありがとう日本。ありがとうクラシエ。
作成工程は幼少の頃を少し思い出しながら、すごく楽しみながら行うことができました。
そして、肝心の味も美味しく食べることができました。
今度は大量に買って大量のお寿司をこれで量産したいと思います!!
商品情報
たのしいおすしやさん |
---|
栄養成分 |
1食(28.5g)当たり [ カロリー 110kcal / たんぱく質 0.1g / 脂質 0.4g / 炭水化物 27g / 食塩相当量 0.08g / カルシウム 191mg ] |
アレルギー物質 |
アレルギー物質(表示義務・推奨品目) 乳、いか、ゼラチン ※本品は小麦・卵を使用した設備で製造しています。 |